
水戸は、岐阜や八女(福岡県)とならぶ提燈の日本三大産地といわれ、その水戸で製造される提燈の中でも代表的なのが「水府提燈」です。
螺旋状に竹ひごを巻き上げて外形を整える一般的な手法に比べ、水府提燈は竹ひごでたくさんの輪を作り、それを並べてつなぎ合わせるという独自の手法をとるため、丈夫で実用的な仕上がりをみせます。
そんな水府提燈を、すべて手作業で作り続ける鈴木茂兵衛商店の伝統の妙技を見ていきましょう。
製作工程
【竹ひごを削る】提燈の円周に合わせて切った竹ひごを用意し、片方の先端を薄く削ります。これは、後で竹ひごを輪にする際重なる部分の段差をなくす為です。 |
【竹ひごを巻く(輪にする)】1で用意した竹ひごの削った部分に和紙を巻き、1本ずつ輪を作ります。これは、後で輪の直径が自由に伸縮できるようにする為です。 |
【竹ひごをためす(丸みをつける)】輪にした竹ひごは1本1本が不揃いな為、数本をまとめて「しごく」ようにして均一な丸みをつけます。 |
【型を組む】提燈(提灯)の型(鈴木茂兵衛商店に代々伝わるもの)を組み立てます。 ※型は、提燈の形・長さ・直径などにより異なります。 |
【竹ひごを型にかける】組み立てた型に3で丸めた竹ひごを、型の目に合わせて1本ずつかけていきます。 |
【糸をかける】型にかけた竹ひごに、糸を1本ずつ巻き付けるようにして固定します。同時に、型とひごとの緩みを調整しながら提燈(提灯)の形(丸み具合)を整えていきます。 ※糸をひごにかけることで、提燈の強度を増すことを目的にしています。 |
【糊をつける】6で固定した竹ひごに、刷毛で糊をまんべんなくつけます。 |
【紙を貼る】糊をつけた竹ひごに和紙を貼ります。型に合わせて和紙をおき、手でなでるようにして貼っていきます。 |
【紙を断つ】糸からはみ出した余分な紙を、カミソリで切り落とします。見た目が美しくなるように紙同士が重なり合う部分を最小限にします。 |
【型をはずす】糊が乾いたら、型の上下にあるアミダ(丸い部分)をはずし、提燈(提灯)の口の大きいほうからはね(板)を抜く。 |
【折りたたむ】型からはずした提燈を竹ひごの間に筋を入れ、折りたたんでいきます。この時同時に、提燈(提灯)の仕上がり具合も確認します。 |
【完成】形や大きさによって名前がつけられる提燈(提灯)。奥にあるのが二五丸(にごまる、奥左)、大八桶(おおばちおけ、奥右)、手前が大八丸(おおばちまる、右)、中太(ちゅうぶと、中)、九子重(きゅうこしげ、左)と呼ばれています。 |
